9月24日【みどりの窓口記念日】切符以上の価値がある窓口――みどりの窓口記念日

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本日9月24日は、「みどりの窓口記念日」です。
旅行や出張の際、新幹線や特急券を購入するときにお世話になる「みどりの窓口」。
インターネット予約やスマホでのチケット購入が当たり前になった今でも、多くの人が利用しているJRの顔ともいえるサービスです。今日はその歴史や役割について振り返ってみませんか?
みどりの窓口記念日(9月24日)の由来と背景
1) なぜ“9月24日”なの?
多くの資料で、1965年(昭和40年)9月24日に国鉄が全国の主要駅に「みどりの窓口」を開設したことにちなむ、と説明されています。実際、この日までに全国152駅+日本交通公社(現JTB)83カ所で体制を整え、10月1日のダイヤ改正で本格運用を始めるための“前線開設日”でした。このため記念日は9月24日とされるのが一般的です。
※「10月1日」や「3月1日」と混同されることがありますが、10/1はダイヤ改正にあわせた販売開始日、3/1は別の出来事の連想・誤記がネット上で混在していると見られます。根拠資料ベースでは9/24が“開設日”です。
2) そもそも、みどりの窓口は何を解決した?
導入前は、指定席の手配を各駅の台帳+電話連絡でやっており、発券に1〜2時間かかったり重複販売が発生する課題がありました。そこで国鉄はオンライン座席予約システム「MARS(マルス)」を核に、指定券を即時に扱える専用窓口=みどりの窓口を整備します。
MARSの進化と“開始日”の意味
- MARS101:1964年2月に稼働を開始。ただし1列4席仕様で、同年10月開業の東海道新幹線(1列5席)に未対応。
- MARS102:1965年9月24日の“みどりの窓口運用開始”とともに使用開始。ここから新幹線の発券にも対応し、利便性が飛躍しました。
3) 初期配置:どれくらい広がっていた?
開設当初から国鉄の主要152駅と日本交通公社83営業所が対象。国鉄駅だけでなく旅行会社にも端末を置いて一体的に販売できる体制でした。
4) 名前の由来は“みどり色のきっぷ”
“みどり”は券面の色にちなみます。常備券(赤や青)に対し、マルスで発券される指定券は淡い緑色だったため。この“色の違い”が対面・即時予約の新しさを分かりやすく象徴しました(のちにホログラム帯の水色系へ)。

現状と取り組み
現在のみどりの窓口は、JR各社の主要駅に設置されており、指定席券売機やネット予約と併用して利用されています。
・JR東日本では「えきねっと」
・JR西日本では「e5489」
などオンライン予約サービスが拡充され、窓口業務の効率化と分担が進められています。
一方で、高齢者や旅行初心者、複雑な乗り継ぎをする人にとっては、やはり駅員さんと直接相談できる「みどりの窓口」が頼りになる存在です。
みどりの窓口が持つ意味・課題
- 人と人との接点
AIや機械では補えない「安心感」「相談できる窓口」としての価値。 - 効率化との両立
キャッシュレス化やネット予約が普及する一方で、窓口の縮小や廃止が進んでおり、利用者の利便性とのバランスが問われています。 - 観光や地域とのつながり
旅の始まりを支える存在として、地域観光の案内役を担うこともあります。
豆知識・“へぇ〜”ポイント
1. 「みどり」の由来は券の色
- 1960年代、マルス端末で発券される指定席券は淡い緑色をしていました。
- それまでの常備券(赤・青など)との差別化がわかりやすく、利用者に「新しいサービス」を印象付けました。
- 今の水色系ホログラム券のルーツはここにあります。
2. MARSと一緒に生まれた窓口
- みどりの窓口は、国鉄の座席予約システム MARS(マルス)の登場とセットで誕生しました。
- 1964年稼働の「MARS101」は1列4席対応だったため、5席の東海道新幹線には未対応。
- そこで改良版「MARS102」が1965年に登場し、みどりの窓口から新幹線の指定券が即時発券できるようになったのです。
3. JTB(日本交通公社)でも買えた
- 開設当初、国鉄駅だけでなく日本交通公社(現JTB)の83営業所にも端末を配置。
- 駅以外でも新幹線や特急の指定券を買えるようになり、当時としては画期的な利便性アップでした。
4. 商標はJR東日本のもの
- 「みどりの窓口」のロゴマークは、実は JR東日本が1992年に出願、1996年に商標登録したもの。
- JR東海は使わず「JR全線きっぷうりば」としているなど、会社ごとに表記の違いがあります。
5. 数は減少傾向にある
- 2020年代以降、みどりの窓口は全国で年々減少しています。
- 例:JR東日本は2021〜2025年にかけて約3分の1の駅で廃止予定。
- 背景には「指定席券売機」や「ネット予約」の普及があり、人対人のやりとりは“安心感”を求める人向けに絞られつつある状況です。
6. 券売機でも“話せる”時代に
- 最近は「話せる指定席券売機」や「リモート窓口」なども登場。
- 駅員とビデオ通話しながら購入できる仕組みで、無人化と安心感を両立させる試みになっています。
7. 海外にも「みどりの窓口」が?
- 海外旅行者の中には「みどりの窓口=ジャパンレールパスを受け取る場所」と覚えている人も多いです。
- インバウンド需要の増加で、「日本の鉄道観光の入口」として国際的にも知られる存在になっています。

まとめ
「みどりの窓口」は、ただの切符売り場ではありません。
それは、人と旅をつなぐ入口であり、安心感を提供する場所でもあります。
1965年の誕生当初は、マルスシステムによる“即時予約”という最先端テクノロジーの象徴でした。
時代が進み、ネット予約や券売機が当たり前になった今でも――
「直接相談したい」「複雑な行程を確認したい」「安心して旅を始めたい」
そんなニーズに応え続けているのが、みどりの窓口です。
しかし一方で、窓口の数は減少傾向にあり、今後は人対人の接点をどう残していくかが課題になっています。
9月24日「みどりの窓口記念日」は、ただ懐かしさに浸るだけの日ではありません。
便利さと人間らしさのバランスを考え、これからの鉄道サービスや旅のあり方を見直すきっかけをくれる日です。
次に駅に行ったとき、みどりの窓口を少し意識して眺めてみませんか?
きっと「旅の入口」としての特別な意味を感じられるはずです。
「今日の“今日は何の日”は秋分の日でした。明日はどんな一日になるでしょうか?またこの場所でお会いできるのを楽しみにしています!」