「憩いの場所が消えていく」サイゼリヤ都心閉店ラッシュの背景——家賃インフレが家計に迫る本当の意味
「庶民の憩いの場がなくなる」——SNSにそんな悲鳴が続々と上がっています。
2026年4月から5月にかけて、人気ファミリーレストランチェーン「サイゼリヤ」の都心店舗が相次いで閉店しています。恵比寿駅東口店(5月11日閉店)、新中野店(5月25日閉店)、イトーヨーカドー八王子店(4月閉店)——短期間に3店舗が消えることになりました。
「なぜ?業績は好調じゃないの?」と思う方も多いはず。今日はこのニュースの背景と、私たちの家計への影響を一緒に考えてみたいと思います。
業績好調なのに撤退する「逆説的な理由」
まず大前提として、サイゼリヤの業績は好調です。2026年8月期中間期でも売上・利益ともに大きく伸び、増収増益。国内外ともに客数が増え続けています。
では、なぜ閉店するのか。
答えはシンプルで「家賃が上がりすぎて採算が合わなくなったから」です。
恵比寿東口店については、現行家賃の2倍近くへの値上げ交渉があったとされています。低価格路線を貫くサイゼリヤにとって、家賃が2倍になれば利益が吹き飛ぶ。値上げという選択肢を持たない分、不採算店舗を閉めるしかないのです。
💬 サイゼリヤといえば、昔よく仲間と「とりあえずサイゼ行こう」ってなってたんですよね笑。デザートブッフェじゃなくて、気軽に使える庶民の場所。値段を気にせずワイワイできる空間って、実はかなり貴重だったんだなと改めて思います。
サイゼリヤの「値上げしない哲学」とは
サイゼリヤには独自の経営哲学があります。それは「値上げをしない」こと。
看板メニュー「ミラノ風ドリア」は1999年に480円から290円に値下げして以来、現在も税込300円。グラスワインは税込100円。原材料費が高騰しても、仕入れが不安定になれば該当メニューを休止することはあっても、値上げという「逃げ道」を封じることで、コスト削減と生産性向上の意識を高めてきました。
この哲学を守るためには、採算の合わない都心の高家賃物件から撤退し、より家賃の低い立地に出店し直す——それがサイゼリヤが選んだ「合理的な撤退」なのです。
「誰でも居られる場所」が消える構造的な問題
今回の閉店ラッシュは、単なるファストフード店の話ではありません。都市部における「低価格で長時間居られる場所」の消滅という、より深い構造的な問題を示しています。
サイゼリヤのような低価格チェーンは、学生・高齢者・低収入層など、「どこかに居たいけどお金がない」という人たちの居場所でもありました。こういった場所が都心から消えることで、経済的な余裕がない人ほど「居場所がない」という状況が生まれていきます。
家賃インフレは「他人事」ではない
ここからお金の話をしましょう。
今回のサイゼリヤの閉店ラッシュは「家賃インフレ」の話です。そしてこれは、賃貸物件に住む私たちの家計にも直結する問題です。
東京都心の家賃は近年、再開発・外国人投資家の流入・円安による不動産価格上昇などを背景に、急上昇しています。サイゼリヤが「家賃2倍」で採算が取れないなら、普通の庶民が家賃2倍になったら——それは生活自体が成り立たなくなるレベルの話です。
▼ POINT 01|賃貸派は「家賃上昇リスク」への備えを
長期の賃貸居住を予定している方は、家賃が上がり続けることを想定した資産形成が必要です。NISAやiDeCoで資産を積み上げることで、将来の家賃上昇に対応できる余力を作りましょう。
▼ POINT 02|不動産価格上昇の恩恵は「株主」として受け取る
都心の不動産価格が上がれば、REITや不動産関連株の収益も上がります。住む側として家賃を払うだけでなく、不動産関連企業の株主として恩恵を受ける側になる発想が大切です。
▼ POINT 03|「値上げできない企業」と「値上げできる企業」を見分ける
投資の観点から言えば、サイゼリヤのように値上げができない構造の企業は、コスト上昇局面では厳しい立場に立たされます。一方、価格決定力(プライシングパワー)を持つ企業——ブランド力や独自技術で値上げできる企業——は、インフレ局面でも収益を守れます。高配当株を選ぶ際の重要な視点のひとつです。
まとめ
・業績好調なのに都心撤退——サイゼリヤ閉店ラッシュの本質は「家賃インフレ」
・「値上げしない哲学」を守るための合理的な撤退。300円ドリアは守られる
・「誰でも居られる場所」の消滅は、低収入層の居場所を奪う構造的問題
・家賃インフレは賃貸住まいの家計にも直撃するリスク
・不動産価格上昇の恩恵はREIT・不動産株の株主として受け取る発想を
🍝「300円のドリアが消える日。家賃インフレは、あなたの家計にも来ている。」
☆ 丸くなるな、星になれ


